医療がサポートするメディカルフィットネス…スポーツ選手から生活習慣病の予防まで

医療とフィットネスの融合で健康の身体づくりを応援します!
生活習慣病の方へ

生活習慣病は動いて直そう!「正しい運動で筋力強化を」

適度な運動と食事で生活習慣病を防ぐ

循環器科の専門医として、私はこれまで心筋梗塞や狭心症などの患者さんの治療を主に行ってきましたが、「治療よりもまず、こんなに病気が進行する前に予防に取り組む方が先ではないか」という気持ちでした。そんな重いから、20年ほど前、45歳の時に私は自ら水泳、自転車、マラソンの3種の健康に良いと言われる有酸素運動を組み合わせたトライアスロンに挑戦し、その体験で得たノウハウを患者さんに運動処方として、還元することを始めました。
長年の研究の結果、一番有用な運動処理には、CPXという心肺機能検査だと判明しました。運動中の酸素の摂取量と排泄される炭酸ガスの量を瞬時に測定するもので、有酸素運動や体が参加しない能力を測ることができます。運動能力の評価にも繋がり、現在スポーツ界でも非常に役に立っている検査です。これまでJリーグの清水エスパルスでも実施してきたほか、運動量の向上に繋げようと以前のW杯日本代表チームにもこれを取り入れ、フィジカル面のアドバイスをさせていただきました。

運動はスポーツのためだけではない
スポーツ界だけでなく、高血圧や高脂血症、糖尿病、そしてこれらの症状が組み合わさったメタボリック症候群などの生活習慣病を予防するのに大切なものも運動です。運動は体を動かして筋肉を育て、血管を発達させることができるからです。厚生労働省の統計によると、日本では、自動車の保有台数が1960年代から増えるにつれて、糖尿病の患者さんが比例して同じように増えています。日本のカロリー摂取量が当時も現在もほぼ変わらない一方で、脂肪の摂取量は増加しています。これは日本人が自動車を使うことが多くなって運動しなくなり、結果的に脂肪が増えて生活習慣病の一つである糖尿病を引き起こしていることを意味しています。
生活習慣病のために
私の施設では、生活習慣病予防のために1に運動、2に食事、3に睡眠、4に薬を提唱しています。まず、体を動かして刺激を加えた後、適度の食事をして栄養を補給し、睡眠中に筋肉系や血管系を補修して体力を上げていくというサイクルが一番大切だからです。それでもうまくいかないときは、4番目に薬を使うことを勧めています。

適度な運動と食事で生活習慣病を防ぐ

一生懸命にならず無理のない運動を
太っている人や運動不足の方は病院に行くと、よく「毎日一万歩は歩きなさい」などと言われるでしょう。また、必ずカロリー消費量も注意されると思います。ただ、気をつけなければならないのは、カロリー消費量にばかり気を取られては意味がないということです。カロリー消費量の多い運動というのは、つまり、強い、行きのキレやすい運動です。もともと運動能力のない人がそんなに簡単にエネルギーを消費できるわけはないので、結果的に短時間で強い運動を行わなければならず、運動イコール苦痛と感じてしまい、長続きができないのです。
運動を行うときのコツ
ウォーキングなどの運動を行う時の知識として知っておきたいコツは、まず息切れがするくらい一生懸命やらないこと。そして体を動かす運動はゆっくりで構いません。その時、脂肪は20分以上運動しないと燃焼しないと思われている方がいますが、これは間違いで20分以上運動しなくても燃焼します。ただし、ゆっくりとして運動を取り入れないと脂肪は燃えにくくなります。
運動を行う効果的な時間は空腹時
さらに、健康な人が運動するなら食後よりも空腹の方が効果的です。スポーツ選手は必ず運動する2時間前までに食事を済ませます。その理由は食事をしたら2時間ほど副交感神経が優位になるからです。副交感神経とは主に、休息時や食事を摂る時に優位に働く神経で、体を休ませながら体内の補修を行います。その時に急に運動すると体を興奮させる交感神経が作用し、血圧が上がったり、心臓に負担がかかったりします。ただし、糖尿病治療中の方の中には食後の過血糖を防ぐために運動を必要とする人がいます。

赤筋を強化し、生活習慣病を予防

現在の日本人男性の平均寿命は80歳弱、79.64歳です。一方、健康寿命はだいたい10歳弱わかり、70.42歳。女性は平均寿命が86.39歳なのに対し、健康寿命は13歳も若い73.62歳です。
つまり、今の日本は、10年以上も不健康な状態で、周りの人に介護をしてもらいながら、苦痛を感じて生きていかなければならないということです。ですから、少しでも健康で、楽しく人生を過ごすために、ロコモ症候群のほか、やはり生活習慣病予防対策は欠かせません。

歳とともに増加する生活習慣病
年をとるにつれ、運動不足になると生活習慣病も増加します。特に、糖尿病やメタボリック症候群などの疾患が増えます。また、食事制限をしたり、運動不足が原因で、高血圧になったりします。
生活習慣病を予防するために適した運動とは
ロング・スロー・ディスタンス(LSD)と言って、長い時間、ゆっくりとしたスピードで距離を踏むような持久力の高い有酸素運動をすることだということが、20年来の我々の呼吸代謝を用いた運動負荷テストの経験からわかってきました。この場合の有酸素運動とは、よく誤解されますが、エアロビクスのように激しい運動ということではなく、ジョギングのような息がきれない程度の運動のことを言います。
なぜ有酸素運動がいいの?
有酸素運動能力が高い人は、持久力に優れた筋肉、赤筋が発達しているからです。赤筋が発達していると、脂肪や糖分をうまく支えたり、呼吸代謝も活発になったりして、健康維持にとても良いことがわかっています。また、有酸素運動を続けていると、動脈硬化の張本人とも言われる活性酸素が出てくる可能性が非常に低くなると言われています。
それから、この赤筋の筋肉の活動しているときは交感神経の緊張も強くなりません。つまり、血圧は上がらず、体に対するストレスが非常に少なくなるというメリットがあります。

過度な運動は逆効果、楽しく続ける工夫を

突然に強めの運動をしても、筋肉痛が強くなったりして、長続きせず、効果が上がりません。日頃から運動をしない人は、有酸素運動の主役とも言える赤筋が退化していて、緊急時に主役を演じるはずの持久力のない白筋が日常生活でも主な役割を果たしてしまうからです。この状態では、体動時(運動時)に酸素が不足する状態になりやすく、疲れたり、動くのも嫌になったりして、その結果として代謝も悪くなり、生活習慣病の誘因となってしまいます。
また、オーバートレーニングと言って、負荷の強い苦しい運動は活性酸素障害を引き起こしたり、交感神経系を過度に活性化させたり、体を傷つけるため逆効果です。

健康維持のためには持久力
健康のためには、日常生活にもっとも適した持久力のある赤筋を育てることが必要です。まずは、無理のない持久系の運動、それからバランスのとれた栄養補給、そして睡眠。この3要素がとても大切で、どれが欠けても良い筋肉は育ちません。
楽しく長く続けられる運動を
運動は楽しくないと続きません。継続しないと意味がありません。体に負荷をかけすぎることなく、健康を維持するためのスポーツに取り組んでみましょう。
NASAでは
心疾患の程度にあわせて(CPXなど利用)、持久力アップ、体幹部の筋力アップさらにスムーズに体移動を行えるよう運動指導をおこなっております。
  • CPX:心肺運動負荷試験,呼吸代謝テスト
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